マズローの奴隷4-02
自分が生命の樹の果樹園を荒らす害虫であることに、気付いたのだろう。生命の樹の果樹園で、生命の実の蜜を啜ることで命を繋いで、生命の樹に知恵の樹の花粉を付けて仲間を得ようとして、その行為が世界に不幸をもたらしていることに気付いてしまったのだ。見つめなくて済んだはずの「人生の意味」を問いかけて回り、楽園で幸福の最中にあった人々を、外へと引きずり出す。その行為が自己満足に過ぎないと気付いたのだ。
自分が生命の樹の果樹園を荒らす害虫であることに、気付いたのだろう。生命の樹の果樹園で、生命の実の蜜を啜ることで命を繋いで、生命の樹に知恵の樹の花粉を付けて仲間を得ようとして、その行為が世界に不幸をもたらしていることに気付いてしまったのだ。見つめなくて済んだはずの「人生の意味」を問いかけて回り、楽園で幸福の最中にあった人々を、外へと引きずり出す。その行為が自己満足に過ぎないと気付いたのだ。
付き合っていられない。君の手口は『死ぬ死ぬ詐欺』だ。死ぬぞ死ぬぞと喚いて、注目を集めようとしている。自己愛が足りぬからそのような行動に出るのだ。君の主張は全く正しい。君はエディプスコンプレックスを越えていない。なぜなら、やっていることが赤ん坊と何一つ変わらないじゃないか。もう付き合っていられない。
父親に対する感情って、複雑なものだろ?尊敬と畏怖、愛と敵愾心、父親に認められたいと思う気持ちと、父親を超えたいと思う気持ち。永遠に敵わない絶対の存在であり、いつの間にか小さく弱くなってしまった存在であり。そんな色々なものがごちゃ混ぜになって、父親に対する感情を形作ってるんだろ?
まるで、牢獄の中で、成果を上げたときだけ蜜を与えられているようなもんじゃないか?だってさ、上位欲求を知らなかったら、下位の欲求だけで満たされるわけだろ?そっちの方が幸せかもしれないじゃないか。まるで果樹園で何かを栽培しているみたいにさ。生命の樹の果樹園で、変わらない日常を過ごして、大きな幸せに包まれて、生命の実という果実を収穫する。
まるで量産された大衆が、量産された価値観のもと、量産された幸福を追い求めて盲目的に生きているように感じるんだ。それによって、売り手は「毎月決まった収入がある人」を相手に商売ができるんだ。車を売ったり家を売ったりするには好都合だろう?ボーナスで家電を買わせることだってできるさ。
きっと私だ。私が仕事中毒なんだ。私が追い求めている「夢」って、結局仕事。仕事で賞賛を浴びたい。今、束の間の幸福に浸っていられるのも、仕事で認められているから。元の日常へ戻るのを恐れるのも、仕事でちやほやされなくなるから。
では、「仕事」を禁止語句にしたら、「私」という人間についてどれほどのことが語れるのだろうか。
先輩はいつも優しい。先輩はいつも気にかけてくださる。先輩に助けてもらったことは何度あったかわからない。でも、その先輩に対してさえ、私は心を開けないでいた。
心の開き方を、知らなかったのだ。
体育会系の、現場の仕事。今まで、机の上の勉強という、目の前の1つのことに集中しさえすればよかった世界とは、何もかも違う。勉強さえできれば、同い年の中で1番を取れば注目されていた頃とも違う。集団作業は苦痛でしかなかった。何をしていいかわからなくなる。
−−あの人ね、きっとあの子に、母親を重ねていたんじゃないかしら。甘えたいと願って満たされなかった欲求を、あの子で満たそうとしたんだわ。「母親への絶対依存」を追い求めていたのよ。