心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくって自分を集めた事典
わたし、定時で帰ります。〜読書感想文〜

わたし、定時で帰ります。〜読書感想文〜

 私自身は残業したくない。しかし残業する人には残業する人の思いがある。残業する人の想いに、これからは少しだけ寄り添えるような気がした。

 ここで一つ考えてみたい。
 楽しさと生産性のバランス。
 「仕事」を「成果」だけで見たら、「MQ最大化」的な考え方で、「単位時間あたりの生産性」×「作業時間」が最大になるようにすることが最善だろう。
 じゃあ、「趣味」の場合はどうだろう。例えば読書が好き、続きが気になる、休まず読む、集中力が下がって結局読むのに時間がかかる。この場合、「我慢してでも休憩して速く読む」人と「読みたいなら読めば?」な人がきっといるだろうと思う。
 次に考えるのは、「誰かに価値を提供しうる技能」であって「やってる最中も楽しい」ものの場合、例えばプログラミングとか表計算とか、その場合は「成果」を軸に考えるのと「楽しさ」を軸に考えるのと、どちらが幸せなんだろう。
 こう考えたときに、自分は「読みたいなら読めば?」の側の人間で、それに加えて「好きなことを仕事にしたい」という想いもあって、総合して考えると、「生産性が下がっても長時間の作業を続ける」側の人間になってしまいそうで、それでも「残業して働きづめの人間にはなりたくない」と思っていて……。
 いや、書きながら自分の価値観に気づけたかも。自分が最優先しているのは「幸福」であって、そのためには「生産性を無視する」というのも選択肢になりうるのかもしれない。
 一番大事なのはバランスなんだろうな。
 という、ありきたりな結論に行き着いた。
 作者は、主人公に「両方の立場」を経験させようとしているように感じる。
 「あの人なら何とかしてくれる」と頼られる自分。「あの人なら何とかしてくれる」と誰かを頼る自分。
 「恋人よりも仕事を選んだ婚約者」と「仕事する自分を理解してくれない婚約者」。

結論:残業したくありません。(そもそも時間給の従業員になりたくありません) 
 

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