心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくって自分を集めた事典
「思考の整理学」を読んで

「思考の整理学」を読んで

グライダー人間と飛行機人間

学校が育成するのは「グライダー人間」であって、牽引されて飛ぶことはできるが、自力で飛ぶ「飛行機人間」ではない。そのため、論文を書くにあたり「自由にしてよい」と言われると困るのであるが、そのような「グライダー的飛行能力」を以って「飛翔能力有り」と評価してしまっているのが学校教育の現状である。

醗酵

対象について調べるだけでは「ビール」はできない。疑問を抱くことが「麦」であるが、それに醗酵を促進する「酵母」が加わって、その状態で時間をおくことで初めて「ビールができる」
その「醗酵時間」の見積もりが立てられれば便利だが、そのためには何度かやってみるしかない。「疑問を持った日」を書いておいて、「思いついた日」も書いておけば、その間の期間が「醗酵に要した時間」である。

(例)記憶が怪しい

古典の評価が時代によって異なることを疑問に思っていた。(麦)
本に対する複数の解釈は、何か一つのみが正しいのではなく、その全てが正しいのである。(酵母)
人は自分なりの解釈をしたがる(酵母)
本(A)を読んだ瞬間に、それは異本(A’)になっている。(ビール)

カクテル

「ちゃんぽん酒」と「カクテル」は違う。
全く新しい思想(X)を思いついたとする。その際に同様の考えがすでに存在しないかを調べることは大切だ。
同じ対象に対する論文を探すとA・B・C・Dの4つが出てきたとする。強いて言えばXはBに近かったとする。その際に最も魅惑的なのは「Bを支持しながらXを出す」だが、我田引水感が否めない。
「ちゃんぽん酒」とでもいうべき論文も多く、その内容はA~Dの4つを引用しつつ、「注釈から論文は生まれる」との表現もある通り、中身のないもの(自信ない)である。
「カクテル」を作るには、A~Dの全てを肯定しながら、Xを展開することである。A~Dの全てが正しいのだから。解釈の余地を与えられている点が文学の楽しさなのだから。

寝かせる

夜よりも朝の方が思考が明瞭であるから、夜に悩んでいるよりも朝から起きて考えた方がいい、
また、考え事には「寝かせる期間」も必要である。「1つでは多すぎる」から、「2つ3つを学んで、適度に寝かせる」必要がある。

朝飯前

「朝飯前」という言葉があるが、実際に「朝飯前」に仕事をしてしまうと能率がいい。そのため、朝食を遅くすることで「朝飯前」の時間を長くすることができるし、昼寝をすることで「朝飯前」を2回にすることだってできる。

(感想)

「起きた瞬間にお腹すいとんじゃ〜!」と思っていたが、実際にやってみると、なるほど、確かに思考が明瞭であるような感覚を覚える。

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