心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくって自分を集めた事典
「ビルマの竪琴」を読んで

「ビルマの竪琴」を読んで

はじめに

この小説の魅力を、ネタバレにならないように伝えたいと思います。だって読んでほしいもの。
物語の魅力を損なわないようにと最大限配慮しながら読書感想文を書きますが、人によってはネタバレと感じてしまう場合があると思われます。ご了承の上でお読みください。

なぜ好きか

なぜ好きか、ということを頭で考えて言葉にしようとするとズレるかもないと思い、単にどんな部分が印象的で、どんなことを思ったか、それを挙げてみようと思います。

あらすじ

第2次大戦中のビルマでイギリス軍と戦う日本軍の中に、よく合唱している部隊があった。その一員である水島上等兵は、仲間から慕われていて危険な任務も進んでこなした。そんな水島上等兵が、ある任務に行って以来帰ってこなくなる。死んでしまったのだろうか、そんなことを考えていた仲間たちの前に、水島上等兵にそっくりの僧侶が現れる。
「おーい水島、一緒に日本に帰ろう!」

いちばん目頭が熱くなった台詞

ネタバレになるので残念ながらあまり引用はできませんが、だいたい次のような感じです。
同胞の命を救うために行動する水島上等兵。説得しようとするも相手は耳を貸さない。そして「貴様は命が惜しいのか」などと言われてしまう。しかし水島上等兵は、「誰よりも先に死んでみせる」と言う。「そうすればわかるだろう。自分の行動が、臆病からか、そうでないか、命が惜しいからか、そうでないか、それで分るだろう!」と。

──ここにたけりたっている人たちは何か妙なものに動かされています。(中略)たとえ自分が分別あることを主張したくても、はっきりした根拠をたてにくい。それで、威勢のいい無謀な議論の方が勝つ──、こういう無理からぬところもあるようでした。

一生に一度軍服を着る義務と、一生に一度袈裟を着る義務

日本人は開国して洋服を着るようになった。だから文明の利器を手に入れて発展した。ビルマ人は未だにビルマ服を着ている。だから発展しない。
いやいや文明の利器を手に入れることや能率を上げることだけが人間の幸福か?ビルマ人は欲が無いから、変化しようとしないし生活程度が低く見えるが、心の中はよほど平穏じゃないか。

みたいな話を作中で登場人物たちが話します。経済的な発展が本当に人間の幸せか?たくさん作ってたくさん捨てる世の中は幸せか?なんて考えている私はその部分も好きでした。

竪琴欲しいなあ

「ビルマの竪琴」というタイトルの本ですが、作中にも「ビルマの竪琴」が登場します。映画も見て、「ビルマの竪琴」で「埴生の宿」を演奏してみたくなりました。マイブームきてます。

おわりに

ネタバレにならないように書いた上に、Webの記事なので引用ばかりするのも憚られて要約した部分もあります。「紹介しなかったけれど好き」という部分もあります。読んだ方とはぜひお話ししたいと思っています。

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